Thee Marloes


まるで新世代チカーノ・ソウルのような甘いサウンド!インドネシアから登場、
ビッグ・クラウン・レコードから4月21日にシングル盤をリリースした
Thee Marloes(ジ・マーローズ)に緊急インタビュー!
出身はジャカルタに次ぐ第2の都市、スラバヤ。メンバーは、Natassya Sianturi(ヴォーカル/キーボード)、
Sinatrya Dharaka(ギター)、Tommy Satwick(ドラムス)の3名。
ソウル、ファンク、ジャズ、ポップがミックスされたサウンドは大人気必至!

 
 Photo:Ryo Dinata

Q. バンドのバックグラウンドを教えてください。バンド名、マーロズの意味、またジ・ミッドナイターズ(Thee Midniters)のようにTheではなくTheeにした理由は?
「グループとして2年半前から一緒にやってきました。我々はスラバヤの出身です。バンドを結成した当時のメンバー、Bimaが "Marloes "という村があることを知り、ググってみたらその名前を使ったバンドがいなかったので使うことにしたのです。Theeのことですが、実はラカ(ギター奏者)がThee Midnitersを真似て「The」の代わりに「Thee」を付けようと提案しました。当時彼が毎日聴いていたプレイリストに「Dreaming Casually」(#訳注:Thee Midnitersの代表曲のひとつ)が入っていたからです。はい、あなたの推測は正解です!」

Q. ビッグ・クラウン・レコードからのリリースはどういう経緯で叶ったのでしょう?「ミッドナイト・ホットライン」はどのようにして生まれたのでしょう?ビッグ・クラウンなどインディペンデント・レーベルの新しいサウンドはインドネシアで人気があるのですか?
「ビッグ・クラウンにはNatassyaが直接連絡してデモを送りました。「Midnight Hotline」はTommyとRakaによるジャムが始まりで、ビートは 所謂"アーメン・ブレイク“にインスパイアされたものですが、よりスローでシンプルにしました。最初の2曲(「Nanti」と「Love Potion」)よりも、アレンジや歌詞をもっとシンプルにする必要があると思ったからです。ビッグ・クラウンから連絡がくる1年前のことです。インドネシアでは、 ボビー・オローサの 「Should I Take You Home 」やドラン・ジョーンズ&ジ・インディケーションズの 「Cruisin in the Park」、もちろんメナハン・ストリートのアルバムなどで、ビッグ・クラウン、ダプトーン、コールマインなどのレーベルが人気になってきています。またバカオ・リズム&スティール・バンドのシングル盤はDJ/セレクターのコレクターズアイテムとなっています」

Thee Marloes
"Midnight Hotline / Beri Cinta Waktu"
MV・詳細は
こちら

Q. 影響を受けたアーティストを教えてください。伝統歌謡、ダンドゥットなどからも影響はあるのですか?

「ソウル、ファンク、ヒップホップ、ロックステディ、ラヴァーズ・ロック、ジャズ、ポップス、ダブなど、さまざまなタイプの音楽を聴いています。Thee Marloesの音楽に最も影響を与えたのは、グラディス・ナイト、ブラッドストーン、スモーキー・ロビンソンからエリカ・バドゥ、シャーデー、そしてクレオ・ソルのような新しいアーティストまで、新旧のR&Bです。ラルフィ・パガン、クリシェ、アストラッド・ジルベルト、山下達郎など、様々な時代や文化からのポップスからもたくさん影響を受けています。また、RZA、マッドリブ、エル・ミッシェル、エイドリアン・ヤング、プリンス・ファッティといった多くのプロデューサーたちが、我々のサウンドの試行錯誤の際にインスピレーションとなったことも忘れてはならないと思っています。伝統音楽のダンドゥットに触発されたわけではありませんが、Rakaは70年代半ばのロマ・イラマ&O.M ソネタのサウンド、特にギター・ファズをディグしています。」
 

Q. スラバヤではホームベースとなるライブ・ハウスはありますか?
「スラバヤでライブをやっていますが、特にホームとなる場所はなくイベントによって会場が変わります」


Q. チカーノ・カルチャーは日本でも浸透してきています。あなたたちのスタイルも影響を感じさせていますが、インドネシアではいかがでしょう?

「私たちは東南アジアやイタリアの50-70年代の文化やデザインにインスパイアされていますが、もちろんチカーノ・カルチャーや音楽が大好きです。 インドネシア、特にバリ島にローライダーやパンク音楽、またキッド・フロストやサイプレスヒルに影響を受けたヒップホップやラテンラップを愛するチカーノ・カルチャーの愛好家がいます。でも、チカーノ/スウィート・ソウル・ミュージックに関しては、全く異なるシーンにあって、主にDJがクラシックのR&B、ノーザン・ソウル、ブーガルー、クラシック・レゲエを回しています。私たちは、もちろんBig Crownのアーティスト以外にも、ペンローズ、コールマイン、シンフォニカルがリリースするアーティストもとても気に入っています」


Photo:Jonathan Satriyo
Q. 今予定されているツアーでは、バリ島のDeus Ex Machinaでライブをやるようですが、インドネシアで盛り上がるカスタム・バイク・カルチャーにも関わっているのでしょうか?
「残念ながら、そうではありません」

Q. 最新シングル盤のフリップ・サイド「Beri Cinta Waktu」はインドネシア語で歌われていますが、どんなストーリーなのでしょう?
「人間関係におけるほろ苦いプロセスについての物語です。自分の人生の中に他人を受け入れ、自分の人生の中で他人に自分を受け入れてもらう方法について」


Q. 今後の予定について教えてください。
「来年発売予定のファーストアルバムのレコーディングの真っ最中なんです!」


Big thanks to Thee Marloes, Chaidir and Danny!!
Text by Shin Miyata (Barrio Gold Records/MUSIC CAMP, Inc.)

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